ヨーガと私 vol.3

佐保田 鶴治先生に入門する

1976年京都伏見桃山南口の日本ヨーガ・アシュラムに、朝10時から講義に参加しました。

当時の私はヨーガのポーズばかりしていて「ヨーガ・スートラ」という経典があることさえも知りませんでした。
佐保田先生は机にきちんと端座され、誠に流暢な美しいお声でご講義なさいました。ほとんど本を読みながら先生が注釈を加える形です。
黒板にはほとんど文字を書かれません。口伝です。

さて、2時間初めて聴講する私には、まったく何のことか解かるはずがありません。終わってから、初めて佐保田先生にご挨拶をしました。

「佐保田先生!大阪から参りました岡と申します。本日、先生のご講義を初めて聴講しましたが、本当に大学のご講義のように難しく、とても私には理解及ばないと思いました。」

と、ご挨拶をしますと、佐保田先生はなんと仰せられたと思われますか? 
そのお言葉なんと謙虚なことでしよう、いかなる無知の私でさえ、もう胸の内が熱くなりました。

「いやぁー、岡さん。貴方にはちょっと難しく思われたか知れませんが、貴方の背後におられます守護霊さまがこれを聞きたがっておられるかも知れませんよ。又、貴方には難しいかもしれませんが、貴方の中の魂がこれを教えてくださるかも知れませんよ。」

と、申されたのです。なんと素晴らしいお答えなのでしょう!

私にはその時まで、魂や守護霊さまなんて言葉さえあまり聞かなかったものですから、本当に心の中が洗われたようでした。
今思うと、「力と愛と智慧のある高徳な方は悪魔さえ涙して心服する」と言われていますが、まったくその通りだなぁ、と感銘を受けました。
そして首の事故のこと、今の苦痛を聞いていただきました。
先生は一言、

「貴方がヨーガで怪我をしたのなら、ヨーガで治すしかありませんね!」

もうこれで決まり!一度死んで、そして再び甦ったつもりで佐保田先生のみについてヨーガを極めよう、と決意して道場を後にしました。  
行くときは、帰りの死に場所を探しながら歩く、暗く重い気持ちでしたが、なんと希望の持てるお言葉を賜り、首と頭の痛みを超越して、今までにない希望が湧いてきて、魂から甦ることがきました。
私にとりまして 佐保田先生は命の恩人、魂を救ってくださいました霊的面のグルなのです。

その日から先生の御教えだけ意志して勉学にヨーガ実践に励みました。頚椎の怪我から、ほとんど手と足の体操しか出来なかった私は、一歩一歩とまた、用心深く勧めていきました。
そして一切、薬も病院も通院しないですべての病気が治ったのです。たった6ヶ月間で!

毎日、朝2時間 夕方2時間実修していましたある日、なんとも言えない爽快な気分になりました。そのとたんにすべてが変わりました。意識が変化したと言いましょうか・・・。心と身体がスーッと変わったのです。そのとたん「ハッ!」と気付きました。

「私は長い間、間違って生きてきた!自分が病気ばかりするのは両親のせい、主人のせい、3人の子供達に何も買ってやれない苦しい貧しい生活を強いられ、おまけに社宅住まいなので階下が事務所。トイレがその事務所を通って行かなければならないので、極力排泄を我慢するから膀胱炎が治らない!私の病気が治らないのは環境のせいなのだ!」


私は今までの不幸の原因を、すべて他人のせいにして生きてきたのです。その事実にやっと目覚めることができました。向心とか回向です。

心から生まれ変わったのです。
とたんに、すべての病も首の痛みも消えていました。

・・・次へ続く

ヨーガと私 vol.2

絶望の日々

その後、身体に抱えていた不調は、ヨーガ修行のおかげで、少しづつ改
善の道を歩んでいました。
気を良くした私は、さらなる知識を求めて、佐保田先生のお弟子様に入
門を併用しました。

ジバナンダ・ゴーシュ師は英語しか話しませんので個人的な相談事や質問のコミニケーションが難しいのです。
そこで、日本語で教えて頂けるならさらに深く理解できるだろう、と思いました。
その頃、その道場ではどちらかというとアーサナが主で、あまり精神的面の指導はありませんでした。
誰もがアーサナの上達に意欲的でした。
私もアーサナが上達する事ばかりを考え、家でも暇があれば練習に励んでいました。

ある日、自宅で頭立のポーズのシールシァ・アーサナでパドマ(蓮華座に組み捻り)をしていました。
そのときお昼寝していたはずの息子が突然起きて来たのです。
そして「ママー」と、私の身体を揺さぶります。

さあ、大変です。

頭立でおまけに身体を捻っているのでポーズを戻す暇さえありません。
そのまま息子の上に倒れたら2歳の子の肋骨ぐらいは折れてしまうでしょう。
私はとっさの判断で、息子を避けて反対側に自らを転倒させました。
一瞬、首の頚椎骨が、バキッーと音を立てたのが聞こえました。
猛烈な激痛が走り、そして頭の中心が、外から焼け火箸を差し込まれてグルグルとかき回されてるように激痛が走り、心臓の心拍がドキドキして高鳴りました。息は苦しいし、手足がだらりとして力がまったく入りません。
事故です。頚椎の怪我です。

その日から、大阪市内の大病院を巡り歩きましたが、どこへ行っても症状は取れませんでした。しかし自分でしたヨーガの事故ですから、主人には一言も苦しみや痛みを言いませんでした。
このまま治らないなら、そして一生涯こんな苦しみが続くなら死ぬより仕方がない、自殺をしよう・・・とさえ考える程、精神的・肉体的に傷ついていたのです。しかし、幼い子供を3人も残して母としてどうして死ねましょうか。

私は毎日祈りました。
「天にいらっしゃる神様、もしこの状態を治してくださるなら、私はヨーガの指導者になって、どんなことがあっても、アーサナよりも精神的な面が先だと教える先生になります。アーサナがどんなに上手になるかではなく、心を統一して怪我をしないように、また、ヨーガで怪我や事故をさせないような指導ができる先生になります。そして、もし治らなかったら、その時は自殺します!」という誓いを立てました。

そして、この日解決できなければ、帰り道に電車に飛び込み自殺をしよう・・・と本気で決め、朝5時に起きて子供達一人一人の寝顔を見ながらさよならをし、家を出ました。

訪れたのは、京都の伏見桃山南口の日本ヨーガ・アシュラム・禅同友会の佐保田鶴治先生の道場でした。

・・・次へ続く

ヨーガと私 vol.1

苦しみからの脱却 <佐保田先生の著書&ジバナンダ・ゴーシュ師との出会い>

なぜ、私はヨ―ガに巡りあえたのでしょうか。

1974年、当時私は慢性胃潰瘍・腎機能からなる慢性膀胱炎に自律神経失調症。
今で言う鬱病で重症のノイローゼで自殺志願者でした。

ある日、3人の子供をつれて市場に買い物にいった時、突然倒れてしまったのです。
その時、親切な見知らぬおばあちゃんが自分の通う内科の医院に連れて行ってくださいました。
医師からは「貴方はこのままではいけない!紹介状を書いてあげますので直ぐ入院して適切な治療をしなさい。」
と告げられました。しかし、内心は 「そんなことできるわけがない」と思いました。

子供達は小さいし3人も置いてとても入院など・・・絶体絶命でした。
11年間も病院へ通って薬を服用し続けたのに治らなかったのです。
その頃はすでに、カナマイシンの抗生物質薬で右耳も突発性の難聴で聞こえなくなっていました。
これは、なんとしてでも自分で治すしかない!と思いました。

そんなある日、商店街の本屋さんで本をチラッと見たのが幸運にも、
佐保田 鶴治 先生の『ヨーガ入門』の本でした。
その佐保田先生の本を手に取っただけで、私は内容も読まないのに「これだ!」と直感したのです。
(何故か解かりません!今でも諸天の神様に感謝の礼拝です。)

当時はまだ誰にもヨーガなんて知られていませんでしたし、私もまったく初めて知る語でした。
そんな折、新聞でジバナンダ・ゴーシュ先生の指導がWMCA会館で受けれることを知り、入門しました。
今から35年前のことです。会費は月2回で1万円でした。

当時はOLの給料でしたから、とてもとても支払える金額ではありません。
主人の給料が手取りで3万5~6千円でした。しかし、東京から来てくださるのだし、
殆どマンツーマンですから妥当な金額だったのでしょう。

当時、師は東京から毎月第3火曜日に大阪のWMCA会館スポーツセンターに来て下さりました。
31歳からのスタートでした。

師は英語でしか指導しません、日本語は片言ぐらいでした。
師は生徒の進歩に応じて、グルが全責任を負って決定されます。
グルがこれと思う生徒を選び、特殊な方式で次第に開発を進められました。

その時期などは、グル自身がどのアーサナ・やプーラナ・ヤーマ・瞑想に入る時期か
お決めになられました。ヨーガの上級段階を目指す生徒は唯一、グルの指導に従って
すべてを規則正しく行じて行けばよいのです。

もし、グルの指示していないアーサナやプーラナ・ヤーマ・瞑想を自分で勝手に取り入れれば確実に破門でした。

例をあげますと、まだ、初心の男性で、急ぐあまり師の指導以外のアーサナを続けていました。
ある時、膝が痛みが出てきましたのでグルに相談。
グルは、どのように自宅で実践しているか?と訊きました。
彼はグルの指示した以外のアーサナも取り入れて進歩を上げたかったようです。
医師にはヨガは禁止といわれました。

それで師は、その人を「破門」なさいました。

師は申されました。

「古来からインドの伝統ヨーガは、グルが弟子に直伝で教えられてきた。
グルは生徒のレベルに合わせた指導をし、生徒は自分の成果や体験を、
他に絶対口外してはならない。口外すればその効果が消えてなくなる。秘密を守ること。」


グルだけが、その責任をお持ちでした。「今一度、私もこのことを固く守りたいと思いました。」

グルと弟子の間には、いつも自由なここらからの繋がりがありました。
ほとんど英語のレクチャーで理解できないのですが、グルの誠実さ・愛・平和さに、指導される内容が心で自動的に理解できるのです。

それは不思議としかいいようがありませんでした。

師は、本当に厳しかったです。生徒は誠実な努力、忍耐、尊敬,忠誠心、信頼を示すべきです。
これは私ごとですが、2歳の息子を連れて参加していましたから、実修中、息子は私の傍でなく
離れたところで待たせるのですが、2時間静かに待っていないと、ものすごく息子に向かって、
“ハアッー!”とお叱りになりますから、まだ、幼い息子には過酷な出来事です。

インド人など見たこともないし、眼がぎよろっと大きく、大きい男性ですし、
きっと2歳の幼児には恐怖だったでしょう。今、思うと本当に可愛そうなことをしてしまいました。
その為か今でも「絶対にヨーガは嫌」と、行じません。でも、師はお優しいお心の方でした。

ある時、レッスン中に、息子がシクシク泣いていました。すると、師は私に始めて日本語で申されました、
『たかこさん!チャイルドが、おしっこしたい!と泣いていますよ!』って、本当にその時のグルの慈愛というか、
平和というか、なんとも言えないバイブレーションが暖かくて。

今尚、思い出されます。きっと一生涯忘れないでしょう!


・・・次へ続く



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