大きな代償

それ以来、私はヨーガ一筋に没頭する日々を送っていました。
もうヨーガ以外何も要らないし、日常の世界にはまったく興味が持てないのです。子供達に対しては愛情を持って育てていましたが、今思えば随分と寂しい想いや我慢をさせた事でしょう。
そして誰よりも一番に心を痛めていたのが主人だったのです。
元々、主人は私がヨーガに没頭していくことを快く思っていませんでした。
私が部屋にこもってヨーガを行じていますと
「またそんな事をしているのか!」と、怒鳴られる始末です。
それでも私はまったく耳を貸さず、主人の願いとは正反対にますますヨーガの世界にはまり込んでいきました。
毎晩、ピシャリ!と障子を締めたまま何時間も出てこずにヨーガの勉学に没頭し、別々の床で寝る始末、、、。まるで家庭内別居です。
そんなヨーガ三昧の生活が7年間続いたある日の事、とうとう大きな代償がやって来ました。
なんと、主人はお給料を半分しか入れてくれなくなったのです。
ボーナスも「俺が貯金しておいた!」
と銀行の通帳を見せることは見せるのですが全部使われていました。
どうやら、賭博に凝っているみたいでした。
そのうち私の財布から生活のお金迄抜き取っていくし、ヨーガ修業の充実とは裏腹に、家庭的な苦労が絶えませんでした。
「『離婚』しか話し合いません!」
と3人の子供を残して家を出たこともありました。
でも結局は、子供達が可愛そうだと思い、元に戻りました。
家庭を持った主婦が真剣にヨーガ修行するとなると色々な問題が持ち上がります。
主人に一番寂しい思いをさせていた事を後悔しました。
これが第二回目に来た心身の浄化ですね。
(業)-カルマ「自から蒔いた種は自から刈り取ることになる。」
因果の法則です。ヨーガと引き換えに大きな負債が掛かりました。
痛い月謝を随分支払いました。これこそ自業自得です。
そんな中でもヨーガは止めませんでした。
尚更 拍車がかかりまして、とうとう恩師佐保田先生の弟子として十年目に教師として認可を戴きました。

・・・次へ続く